慰謝料

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目次

離婚の慰謝料

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週刊誌やテレビで芸能人の離婚が話題になると、慰謝料は何千万だとか何億だとか騒がれるので、離婚には慰謝料がつきもののように思われがちですが、必ず慰謝料が発生するとは限りません。

離婚する当事者が「慰謝料はお互いに請求しない」と合意すれば慰謝料は発生しませんし、逆に夫婦が「夫が妻に慰謝料1千万円を支払う」と合意すれば、たとえ一般的な相場が300万円程度であっても、1千万円がその夫婦の慰謝料ということになります。

また「慰謝料は離婚時に経済力のある男性が女性に支払うお金」と思っている方もいるようですがそのようなことはありません。

慰謝料には本来「精神的苦痛を受けたことに対する損害賠償」という意味があるので、夫婦の一方が他方配偶者からに損害賠償しなければならないほどの精神的苦痛を受けたのであれば、男性であろうと女性であろうと当然他方配偶者に慰謝料の請求ができます。

ここで重要なのは「慰謝料を請求できること」と「慰謝料が(相手方や裁判所に)認められること」は違うということです。

更に言うならば、慰謝料が認められて公正証書・調停調書・判決書ができたとしても「必ずしも慰謝料全額が受領できるわけではない」ということ・・・厳しいことを書きましたが、慰謝料を請求するのであれば、これらの現実をある程度は理解しておく必要があるでしょう。

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慰謝料の法的性質

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交通事故で他人にケガをさせると、法律的には不法行為(民法709条)をおかしたことになり、被害者の受けた損害のうち、医療費などの実損害を賠償しなければならなくなります。

第709条(不法行為による損害賠償
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

更に、この他に入院などで苦しんだ精神的苦痛に対する損害賠償(民法710条)として慰謝料も支払わなければなりません。

第710条(財産以外の損害の賠償)
他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

離婚の慰謝料も交通事故と同じ性質を持つ「不法行為に基づく損害賠償」ですので、離婚に関して因果関係が認められれば財産的損害であろうと精神的損害であろうと請求することができます。

一般的には民法第710条の精神的・非財産的損害賠償のことを慰謝料と言っています。

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 慰謝料問題の早期円満解決に必要なのは、冷静さと適切な情報

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話し合いで慰謝料の問題を解決しようとする場合は、相手に理由と責任を納得してもらう必要があります。

感情的に「あなたが悪い!責任を認めろ!慰謝料を払え!」と迫ったところで、それだけで問題が解決することはまれでしょう。

インターネット上には、内容証明郵便1通で簡単に片付くかのような表記もちらほら見受けられますが、普通はそう簡単に片付くものではありません。

相手方もある程度責任があることは理解しつつも、その具体的な根拠や責任の程度など、正確に理解できなければ、対処できないのが普通です。

根拠となる法律や判例等の情報はもちろん、相手方の性格に合った手続きの進め方についても、冷静に分析と検討をする必要があります。

慰謝料は基本的に相手方の非難に繋がるデリケートな問題です。言うべきことはキチンと言わなければなりませんが、同時に相手方を過度に傷つけることのないよう注意しましょう。

慰謝料の相場

離婚慰謝料の相場については確たる基準は設けられていませんが、過去の判例を紐解くと200万円程度の金額が一番多いようです。

といっても、法律で離婚慰謝料の金額が具体的に決められているわけではありませんので、ケースバイケースと言うしかありません。離婚慰謝料の相場として一般的な金額をあえて掲げるなら「50~300万円」という金額になるでしょうか。

離婚慰謝料の算定基準

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離婚慰謝料の金額について明確な基準を設けようと、大阪弁護士会が「婚姻年数」と「有責性の度合い」に応じて作成した表がありますので、離婚慰謝料の相場に関する資料としてご参照下さい。

離婚慰謝料の算定基準(単位:万円)

婚姻期間
1年未満
1~3年
3~10年
10~20年
20年以上
責任軽度
100
200
300
400
500
責任中度
200
300
500
600
800
責任重度
300
500
700
900
1000

※この表はあくまで「婚姻期間」「有責性の度合い」を基準とした表であり、その他の要因は含まれていません。あくまでも離婚慰謝料の相場に関する一資料に過ぎませんのでその点ご注意下さい。

離婚慰謝料の算定で考慮される事情

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離婚慰謝料の金額を算定する際に重視される主な事情としては、判例は以下のようなものが挙げています。

  • 婚姻関係が破綻した経緯(離婚に至った原因)
  • 不法行為の度合い、有責行為の態様・程度・期間
  • 関係修復への努力の有無
  • 婚姻生活に対する誠実さ
  • 経済状態(年収・資産等の状況)
  • 再婚の可能性
  • 生活能力・生活費の不払い・離婚後の状況
  • 婚姻の際の経済的負担
  • 年齢・性別・職業・収入・社会的地位
  • 別居期間

離婚の慰謝料を計算する際の注意点

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離婚の慰謝料は、それぞれ具体的な事情が異なるので、一律的な基準で金額が算出できません。当事者間で慰謝料の金額がまとまらず裁判に発展した場合でも、その結論は担当した裁判官の裁量、価値観に左右されてしまいます。

要するに「同じような事案でも判断する裁判官ごとに違った結論になる可能性がある」ということです。

また、協議離婚・調停離婚・裁判離婚のいずれの場合でも「離婚の慰謝料の算定において重視されるべき事情」が現実的に取り上げられ、慰謝料の金額に反映されるとは限りません。

重視されるべき事情があっても、裁判で明らかにされなければ無いものと取り扱われますし、事実関係の情報や説明が不十分だとそれらの事情は反映されなくなります。

仮に当事者が重要な事柄を専門家に話していても、専門家が注意深く聞いていなかったりするなど何らかの事情で裁判所に重大な事実が届かなければ、慰謝料の金額には反映されません。

専門家に依頼しても「自分の権利は自分で守る」と考え、全体的な手続きの流れを把握し、専門家をうまく使うくらいの気持ちでいた方が良いでしょう。

明確な慰謝料の算定基準は無いと申し上げましたが、第二東京弁護士会が裁判での基準を元に試案して提案している計算式がありますので以下にご紹介しておきす。(”目安程度”とお考えください)

この算出方法のポイントは、離婚慰謝料を「離婚原因慰謝料」と「離婚自体慰謝料」を二つに分けて算出し、これを合算するという点です

離婚原因慰謝料の算定

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離婚原因となる事実から受ける苦痛に対する慰謝料を離婚原因慰謝料といいます。離婚原因慰謝料の対象は「離婚を求める事由」(民法770条)を基準として以下のように考えられています。

不貞行為:120万~240万円以下

不貞回数、期間、不貞の相手方に子供ができた、不貞を働いた相手から性病をうつされた、精神的苦痛(心労による流産、自殺未遂、ノイローゼなど)、不貞に至った経緯などを考慮の上、基準額120万円に増額されます。

悪意の遺棄:60万~240万以下

基準額を100万円として、以下の事由を考慮して増減されます。

  • 同居義務違反に関する事情
    別居期間、別居に至った経緯、別居状態解消の努力や精神的苦痛等の事情を考慮して増減します。
  • 協力・扶養義務違反
    生活費を入れない、借金などの経済的責任の放棄等の事情を考慮して増減します。

精神的虐待・暴力:60万~120万円以下

精神的虐待・暴力の状態、それに至った経緯、継続性、回数、それによる苦痛 の程度、怪我や障害・後遺症の程度などを考慮して増減します。

離婚自体慰謝料の算定

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離婚自体慰謝料とは、離婚すること自体から生じる苦痛に対して支払われるものです。離婚自体慰謝料の基準(基本慰謝料)を120万円として、次のような数式によって算定します。

離婚自体慰謝料
基本慰謝料(120万円)+相手の年収の3%×実質的婚姻年数×有責度×調整係数
実質的婚姻年数
婚姻期間が20年以上の場合は20として計算します。別居期間も婚姻年数に含めます。
有責度
相手が一方的に悪いときは1、自分にもかなり非があるというなら、その度合いによって0.2~0.4などのように決めていきます。お互いに同程度の場合は0としますので、離婚自体慰謝料は0円ということになります。
調整係数
0.7~1.3の間で、離婚後の生活の困難性によって事情を勘案していくものです。例えば、手に職を持ち、夫と同程度の収入がある女性なら0.7で、まったく職業経験がない女性なら1.3、といった感じです。

表面的な事象だけで非難すると円満解決から遠ざかる

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ごく普通の離婚問題では、慰謝料などの法的責任は理解しつつも、その責任を素直に受け容れられない当事者なりの言い分があったりするものです。

しかし、世の中は表面的な事象だけで全てを知ったかのように他人を評価する冷酷なところがあると、先に覚悟していただきたいと思います。

分かりづらいと思いますので、具体的な事例でお話ししましょう。たとえば、夫の浮気や暴力が問題のケースです。

浮気をした夫も、暴力をふるった夫も、それが許されない行為であることは理解している人はたくさんいます。

しかし、夫が責任を認められないのにはそれなりの理由があったりするものです。もしも、浮気や暴力をふるった夫が、こんな反論をした場合、皆さんはどう思われるでしょうか。

家に帰っても”お帰りなさい”の挨拶とか”お疲れさま”などのねぎらいの言葉も一切無く、言うことがあるとすれば、「山田さんは課長に昇進したっていうのにあなたは・・・あなたは本当に何をやってもダメね」と言ってため息をついたり舌打ちをされます。

娘にも「お父さんみたいになっちゃダメよ!」なんて言ったりしたので「俺だって一生懸命働いてるんだ。少しくらい敬意を払ってくれてもいいだろ!」と反論しました。

でも妻は「大した稼ぎもないくせに!」と言ってきて・・・カッとなって、初めて妻に手を出してしまいました。

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そして夫は以下のような問題行動に出て、問題は拡大していきます。

  • 暴力
    言葉の暴力に耐えきれずに思わず手が出てしまう
  • 不貞行為(不倫・浮気)
    安らぎを求めて他の女性と不倫関係になる
  • 悪意の遺棄
    家に居場所を失って家を出て行く
  • 浪費問題
    ストレス解消だと言ってギャンブル・風俗などにはまり、多額の借金ができる

このケースで夫に責任が無いとは言うつもりはありません。暴力は決して許されないことですし、反省もしなければなりません。

ただ、本当に夫婦関係を改善しようとするなら、夫の言い分もキチンと聞かなければなりません。表面的な問題は浮気や暴力でも、その根底には複雑な問題が山積みであることがほとんどです。

しかし、世間はそのような問題は取り上げてくれません。ハッキリ言ってしまうと他人事(ひとごと)です。警察でも調停でも「どんな理由があろうと、浮気した方が・・・暴力を振るった方が負けです。」といったように軽くあしらわれます。

深刻な夫婦問題を警察や調停委員に話そうしても、ろくに話も聞かず

「気持ちは分かるけど、夫婦喧嘩は犬も食わないって言うでしょ。ここでそんな話をしても仕方ない。」

などと知ったかぶりのアドバイスをして終わるようなケースは多々あります。そんな対応をされると、人は人間不信に陥り、自暴自棄になり、すべてを破壊してしまいたくなります。

このような状況の人に何が必要かと言えば、それは「真剣に話を聞いてくれる人」です。割り切れない思いを真剣に聴いて、理解して、共感してくれる人がいれば、人は冷静に物事を判断できるようになります。

表面的には明らかに非があるとされた夫が、「逆に慰謝料を請求したいくらいだ!」と強く訴えかけるケースは多々ありますが、それはこのような複雑な夫婦問題が根底にあるからです。

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類似事例の判例を参考にしてみよう

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離婚の原因が性格の不一致や親族問題の場合、責任の立証が困難なため、慰謝料の話を持ち出したとたんに話がこじれがちです。

反対に、責任の所在や根拠が明白なら、慰謝料の協議がスムーズに進む可能性は高いと言えるでしょう。

責任の明らかにする方法はいくつかあります。たとえば、類似事例の判例(裁判において裁判所が過去に示した法律的判断)を題材に協議をするのも一つの方法です。

判例は、単なる一事件の結論ではなく、それ以後の判決にも一定の拘束力を与えるほどの力があります。なぜなら、同じような事件に対して裁判官によって判決が異なってしまうと不公平だからです。

専門的な言い方にすると「法の公平性の維持を図る必要があるから」ということになるでしょうか。

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当事者の協議でも、結論の明らかな判例があれば

「類似の事例でも慰謝料が認められているから、自分たちもこれにならって解決しよう」
「結論がある程度見えていることで争っても仕方ない。適当な線で決着をつけよう」

といったように、解決の糸口が見えてきます。 判例を探し出すのが難しいなら、専門家に相談してみましょう。但し、相談される場合は、夫婦問題を多く取り扱っている専門家かどうかを事前によく検討しておきましょう。

なぜなら、専門家にも得意な分野と不得意な分野があるのが普通で、同じ肩書の専門家でも持っている情報量が格段に違うのが普通だからです。

絶対とは言えませんが、専門性があって経験豊富な専門家ほど、早期円満解決に向けての近道や道筋を知っている可能性は高いと考えれます。

慰謝料の話し合いがこじれる大半の原因は「適切な情報の不足」と「過度の警戒心」「冷静さを欠いた対応」です。逆に言えば、これらの問題点さえクリアすれば、円満解決に近づくということです。

過去の判例は、早期円満解決に導く「適切な情報」であることは間違いありませんので、これを積極的に活用していくようにしましょう。

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不貞行為の慰謝料

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慰謝料と言っても、請求する原因が不貞行為(不倫・浮気)である場合は、慰謝料を請求する対象者や「不貞行為・不倫・浮気」と言う言葉の意味を正確に理解しておく必要があるでしょう。

「不倫だ!」などと騒いでみても、単に女性と喫茶店で話していた程度なのであれば、それはそもそも慰謝料請求のできる不倫ではありません。不倫とは、配偶者のある男女又は配偶者のいない男女が配偶者以外の異性と恋愛し、性交を行うことを言います。

くだけた表現では「浮気」とも呼ばれたりしますが、浮気は異性交際において本命の恋人と交際を維持しながら無断で他の異性と交際することをいい、未婚の恋人同士の間で使われる言葉です。

言葉の意味に違いはありますが、大事なことは性的な関係(SEX・性交渉)があったかどうか、ということ。datgrea

どんなに喫茶店で仲良く話をしていても、どんなに仲良くメールのやり取りをしていても、それが性的な関係(SEX・性交渉)に結びつくものでなければ、慰謝料の請求は難しいと考えた方が良いでしょう。

また「慰謝料を誰に請求するのか」という問題も極めて重大な問題です。例えば再三にわたる夫の不倫・不貞行為に耐えかねて、妻が離婚を決意したというケースなら、当然夫に対する慰謝料請求を前向きに検討することになるでしょう。

しかし、不倫の相手方に対する慰謝料請求は慎重な検討が必要です。 不倫相手が「配偶者のいる男性だとは知らなかった」とか「配偶者のいる男性とは知っていたが、何年も前から別居していて夫婦関係は破綻していると思っていた」などと主張してきた場合は、慰謝料請求の要件である「故意または過失」を満たさず請求が空振りに終わる可能性があるのです。 sagrawegearh また「夫が不倫をしたのは確かだが反省してやり直すと言ってくれているし、自分も離婚するつもりは無い。」というようなケースでは、夫に対しては(法的には可能だとしても)慰謝料は請求せず、夫についた害虫を駆除するがごとく不倫相手を夫から引き離す目的で慰謝料請求をする、という選択肢もあります。

不倫の慰謝料請求には他にも証拠の確保・まとめ方など、様々なポイントはありますが、最終的には個々の事案ごとに判断していくしかないと考えられますので、詳しくは専門家にご相談ください。

離婚する当事者双方に責任がある場合の慰謝料

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慰謝料を考える場合は、まずどちらが離婚の原因を作ったかをハッキリさせるのが第一段階です。

離婚原因を作った者であっても、相手方にも責任があるなら慰謝料は請求できますが「双方ともお互い請求しない」として、お互いの責任を相殺(過失相殺)するのが一般的です。なお、過失相殺に関して以下のような判例があります。

昭和54年9月26日仙台地判
婚姻関係破綻の大きな原因は、被告妻の創価学会入信後の行動にあるが、原告夫にも破綻の原因があると認めて原・被告双方の離婚請求を認容し、被告妻からの財産分与の請求は一部認容したが、原・被告相互の慰謝料請求はいずれも認めなかった事例 erayeh4juj5sik6

但し、一方の責任の方が明らかに大きいような場合は、責任の小さい側から一定の慰謝料請求が認められると考えてよいでしょう。なお、お互いに責任がない場合は慰謝料の問題は生じません。

配偶者の親族に対する慰謝料請求

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嫁と姑の対立はいつの世にも変わらない問題で、これが原因で離婚になるケースが多々あります。嫁姑に限らず、同居の親族があると、養親の婿いびりだとか、長兄夫婦と妻の不和、後妻と夫の連れ子の確執なども離婚の原因になりやすいものです。

また、最近では、子どもの数が減って親が過保護になっている傾向がありますので、双方の親が何かと夫婦のことに干渉しすぎるために、うまくいくものもいかなるといったケースも見うけられます。

さて、このような場合に、離婚の原因を作った親族に対しても慰謝料請求ができるかですが、これは、一般的には非常に難しいと言わねばなりません。

裁判例の中には姑や舅に対する慰謝料請求を認めたものがありますが、それは、夫婦自体には結婚生活を続けようという意思があり、努力もしていたのに姑や舅が積極的にこれに立ち入ってぶちこわしたといえるような極端な場合に限られます。

「多少親族の干渉があっても、夫婦が一体となって努力すれば、そう簡単に夫婦の仲がこわれるはずはない、こわれたとすれば、それはもともと夫婦の絆が弱かったか、干渉を排除すべき立場にあった配偶者の努力が足りなかったからだ」

というのが裁判所の基本的な考え方のようです。

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慰謝料はどんな理由で請求できるのか?

はじめに

離婚する際、夫婦の一方は相手方配偶者に対して慰謝料を請求することができます。慰謝料請求の原因は様々ですが、多くの方が検討する代表的な原因を以下に掲げますので、じっくりご覧ください。

性格の不一致

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「性格が合わないので離婚したい」という理由は俗に言う「性格の不一致」です裁判上では、性格の不一致を原因として慰謝料を請求するのは難しいでしょう

なぜなら「大なり小なり性格は違うもの」というところから婚姻生活は始まり、長い婚姻生活の中で「どう合わせていくか」「ありのままの姿をどう認めていくか」という努力が、結婚した当事者には当然求められるものだからでしょう。

とはいえ、ここでいう性格の不一致には、相性や価値観の相違のような乗り越え難い問題も含んでいますから、「どんなことがあっても夫婦は一緒にいるべき」という考え方は非現実というべきでしょう。

だからといって、些細な性格の不一致を理由に離婚が簡単に認められていては、婚姻制度の崩壊を招くようなことにもなりません。

ですから、原則的には性格の不一致を理由とする離婚請求は認めないこととし、例外的に「婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき(民法第770条第1項第5号 )」に離婚を認めているのです。

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不貞行為(不倫)

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慰謝料の原因と言って真っ先に思い浮かぶのは不倫・不貞行為ではないでしょうか。

「不貞行為」は民法第770条第1項第1号に掲げる離婚原因でもある上、民法第709条及び第710条に規定する不法行為にも該当することから、慰謝料の支払い義務が生じる可能性が高いと言えます。

性の不一致セックスレス

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性の不一致には、異常に強い性欲、性的不能、同性愛などの問題も含まれますが、最も多いのは性格の不一致の延長上にあるセックスレスが大半ではないでしょうか。

厚生労働省の調べによると、日本人のセックスレス夫婦の割合はなんと3分の1以上にも達するという結果が出ました。
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性の不一致はデリケートな問題であるため、表面化しにくいところもありますが、他の問題・・・たとえば不倫や暴力などは性の不一致から派生した問題であることが大半のようです。

また、「性格の不一致」も、実は性の不一致が本質的な問題であることが多く、専門家の立場から言えば「性的な問題が解消されれば他は取るに足らない問題である。」と言っても過言ではないほど重大な問題なのです。

性の不一致を原因として離婚や慰謝料が認められるかどうかはケースバイケースというしかありませんが、正当な理由もなく性交渉を拒否して高額な慰謝料と離婚が認められるケースもあるように、裁判所が性生活を婚姻生活における重大な要因の一つと考えていることは確かと言えます。

ちなみに、当サイトに訪れた方が一番クリックする項目は「セックスレス」という項目。セックスレスが離婚の核ともいえる問題であるにも関わらず、この点に触れずに表面的な店ばかりを取り上げてしまいがちな現在の離婚相談業界ですが、今後は改善していく必要があるでしょう。

各種の暴力(DV)

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暴力にも、殴る、叩く、蹴るといった身体的な暴力もあれば、毎日悪口を言い続ける、舌打ちをする、などの精神的暴力、性交の強要や避妊をしないなどの性的暴力があります。

同居関係にある配偶者から受ける家庭内暴力のことを(ドメスティックバイオレンス(DV)といいますが、DV被害者には元々「逃げたら殺されるかもしれない」という恐怖心や、「助けてくれる人は誰もいない」という無力感、さらには暴力を振るうのは私のことを愛してるからだ」とか「いつか変わってくれるのではないか」といった複雑な心理があるため、暴力が発覚しにくく、離婚や慰謝料の請求に繋がりにくい側面があります。
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生活費を入れない

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配偶者の一方の「生活費を入れない」という態度は、夫婦の相互扶助義務に違反する可能性があり、離婚や慰謝料の原因になることもあり得ます。

しかし、単に生活費を入れなかったからといって、直ちに慰謝料や離婚が認められるわけではありません。離婚や慰謝料が認められるためには、生活費を入れないという態度に加えて、「配偶者が生活に困窮する事実の認識」と「夫婦関係が破綻しても構わないという意思」が必要となります。

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借金問題

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「金の切れ目が縁の切れ目」とはよく言ったもので、私が離婚相談を実施する中でも、金銭的な困窮から離婚に発展するケースは多々あります。

ギャンブル癖があるなど、借金を作った者に明らかな落ち度があるようなケースであれば、ある意味「自業自得」と諦めのつく部分もありますが、懸命に努力した結果としての経営失敗で借金ができたような場合は考えものです。

結果的に借金ができたことに落ち度が無いとまでは言いませんが、家族のことを想って必死に努力した結果としてできた借金について、どこまで責められることでしょう。

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裁判で借金が取り上げられる場合でも、単に「借金を作った」という事実だけでは離婚や慰謝料が認められることはまずありません。ポイントがあるとすればそれは「夫婦の信頼関係を破壊するような不誠実な態度や行動があったかどうか」です。

ギャンブル癖

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単に「ギャンブル癖がある」というだけでは必ずしも離婚や慰謝料が認められるとは限りません。パチンコ・パチスロ・競輪・競馬・競艇・・・、ギャンブルも色々ありますが、お小遣いの範囲内であるなど、常識的な範囲でのギャンブルなら全く問題はありません。

問題は家計を破綻の危機に陥らせるほどまでにギャンブルにのめり込んで改善の見込みも乏しいケースです。

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私も離婚相談を始めた当初は「人は変われる!」と信じていましたが、このギャンブル癖だけは、信じれば信じるほど関係者が裏切られて不幸になっていくケースばかりで、今では「ギャンブル癖で作った借金をいくら肩代わりしても捨て金になるだけです。」とアドバイスするようになってきました。

ギャンブルで家計を破綻に陥れる行為は、当然慰謝料請求の原因になりますが、悲しいかな金銭の管理能力を欠いた人が相手方ですので、慰謝料が認められても「無い袖は振れない」のごとく、取り立てに苦労するだけになってしまう可能性が高いでしょう。

親族との不和

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「親族付き合いは無難にしておけば何とかなるだろうと」と軽く考えて結婚したところ、予想以上に相手方の親族が関与してきたために、夫婦関係が破綻してしまうケースはかなりあるようです。

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私が離婚相談を行っていく中でも親族が関与した問題は非常に多く、こういった場合は相談者個人だけでなく、その個人を取り巻く家族関係全体を問題の対象ととらえて対策を考えていく必要があります。相談の現場では次のような悩みを伺うことがあります。

  • 「姑が夫婦のことに余計な口出しをしてくるんです!」
  • 「妻は何かあるとすぐに実家に帰ってしまいます!」
  • 「妻の両親が妻や子供を囲って、家族と話すこともできません!」
  • 「夫から”お前の両親に介護が必要になっても面倒はみないからな”と言われたことがキッカケで、私も次第に夫の両親と距離を置くようになりました。」
  • 「夫は自分の親に「いつでも来ていいよ」と家の合鍵を渡してしまっているので、姑がいきなり家に上がり込んできます。合鍵を渡す夫もどうかしてると思うのですが、入っている姑もどうかしていると思うんですよ!」
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このような問題は離婚や慰謝料の原因になるか?と聞かれれば、現実的にはケースバイケースとしかお答えできませんが、親族の不当かつ過剰な関与によって夫婦関係が破綻したことが明らかな場合は、離婚や慰謝料の原因に該当する可能性はあるでしょう。

但し、親族関係の問題は、夫婦間の問題と同じように形式的な法律論では片付けられないデリケートな問題ですので、余程でない限り法律論は持ち出さないのが賢明です。

配偶者の不倫が発覚したらどう動く?

配偶者の不倫で離婚か修復か悩んだときは「とりあえず今は修復する方向に向いているんだ」と思った方がいい

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夫婦の間で発生する慰謝料問題の中で、最もポピュラーで、最も大きな騒ぎとなる原因は間違いなく、惚れた腫れたのの男女問題・・・つまり配偶者の浮気・不倫・不貞行為です。

ネット・携帯・メール、といった高機能の情報交換ツールが発達したおかげで、容易に他人と交流できる世の中になりましたから、それも仕方ないことかもしれません。

とはいえ、不倫をされた側は目の前の問題を放置するわけにもいきませんから、どうすればいいのか悩みます。

「離婚だ!」と大騒ぎする人もいれば、「これからどうすれば・・・」と悩むだけで動けない人もいるでしょう。

ただ「配偶者の不倫を知った後、関係修復を目指すのか?離婚するのか?慰謝料を請求するのか?」といった問題は、その人の性格や信条にも基づく「生き方」の問題ともいえますから、大筋の方針は自分で決めるしかありません。

中途半端な状態を続けていると、少なくともその間は夫婦の間に気まずい空気が漂います。そんな空気に息苦しさを感じた配偶者は安らぎを求め、縁の切れていない不倫相手に連絡して、更に親密な関係が構築される・・・という悪循環に陥る可能性があります。

ですから、結論が出せない場合は「今は、結論を出せない」と腹をくくって、とりあえず「離婚の覚悟ができないということは、修復すべき方向に自分は向いているんだ」と、まずは自分に言い聞かせましょう。

「修復する」という決断は難しくても、「離婚の決断ができないんだから、とりあえずは修復すべき方向に自分は向いているんだ」と考えることはできるはずです。

離婚の覚悟や決断はいつでもできます。しかし、関係修復は時期を逸したり、方法を間違えるとほとんど不可能になります。一番多い失敗は、リスクや失敗を恐れて動けない状態が続くことです。

心が不健全で動けないなら、心を元の健全な状態に戻せばいいだけです。どうやって?宣伝のようで恐縮ですが、心の悩みを解きほぐして実際の行動につなげるのが夫婦問題カウンセリングです。動けずに悩まれている方は一度ご相談ください。

離婚を決断したら慰謝料請求も検討しよう

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配偶者の不倫を前にして、自分の人生の選択が離婚と固まった場合は、一度慰謝料請求をするかどうかを検討してみましょう。

慰謝料請求を検討する際にまず知っておくべきことは、慰謝料請求権という権利は、被害者自身が行使しないと誰も誰も守ってはくれない、ということです。

多くの人は、「よく分からないけれど、それなりのお金を払って専門家に依頼すれば、それなりの結果や結論に導いてくれるはず」と安易に考えていたりするものですが、現実はそうとは限りません。

どんなに優秀な専門家にサポートしてもらっても「ダメなものはダメ」という現実しかない場合もあります。

ですから、本当に早期円満解決を図りたいと思うのなら、専門家に問題を丸投げするのではなく、少なくとも以下の点だけは自分自身で検討するようにしましょう。

  • 慰謝料を請求する権利はあるのか?
  • 嘘をつかれた場合に、事実を立証できる証人や証拠はあるか?
  • どんな方法で慰謝料を請求するのか?
  • 請求金額・目標金額はどの程度に設定するか?
  • 誰のサポートを受けて問題を解決するか?
  • 解決の見込みはどの程度あるか?

慰謝料問題を円満な形で解決しようと思うなら、こういった基本的な方針だけは、正確に把握しておいてください。

早期円満解決のポイントは、”専門家に丸投げ”ではなく、”専門家を上手に使う”です。この点だけはくれぐれも肝に銘じておきましょう。

相手方が慰謝料を払う動機や心理を正しく分析できれば早期円満解決に近づく

相手方の性格に合った「慰謝料を払う動機」を用意する

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「慰謝料請求ができること」と「慰謝料が認められること」は違います。自分の判断で「慰謝料の請求はできる!」と考えて請求するのは構いません。ただ、その請求を相手方が認めてくれるかどうかはまた別の話です。

相手方が自らの行為を反省して「君の請求通りに慰謝料を支払うよ」と言ってくれたら話は早いのですが、普通はそう簡単にいきません。

相手が支払いを認めるにはそれなりの根拠・理由が必要です。慰謝料を支払う人はどんな性格で、どんな動機で支払う可能性があるのか・・・そんな傾向が正しく理解できれば早期円満解決に近づくアプローチの方法が見えてくるはずです。

ここでは、慰謝料の支払いを決意する人の心理・動機・タイプ・傾向について具体的に検証していきます。

何よりも金銭的な負担を軽くしたいタイプ

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慰謝料の請求をされて「金銭的な負担を軽くしたい」と思わない人はいません。ですから、提案された解決案が「金銭的にお得だ」と感じさせるような提案をすれば、誰でもある程度は耳を傾けると考えたらいいでしょう。

ただし、「金銭的な責任を逃れるためにどこまでやるか」という悪質性の程度は人によって相当違います。たとえば、責任を逃れるためなら「裁判でも平気で嘘をつける」という人もいれば、「そこまではできない」という人もいるでしょうから、それらの行動の違いによって展望も違ってきます。

また、「客観的な視点で冷静に先の展望を見通せる力」も人によって相当違いますので、これによって展望が変わってきます。

たとえば、裁判で平気で嘘をつける(悪質な)度胸を持った人でも、全体を見通す客観的な視点を持っていたら「証拠を取られているところで嘘をついても無駄だ」と判断し、妥当な線で示談がまとまったりもします。

このように、人の性格や能力にって予想する展望も相当違ってきますが、金銭的な損得勘定に執念を燃やす傾向がある以上、解決に金銭的なメリットが感じられる提案や説明がうまくできれば、示談成立の確率がアップすると思います。

具体的にいうと「裁判で争う場合」と「示談で解決する場合」の予想負担額を対比し、裁判等で争う方が負担が多いことを理解させることができれば解決しやすい、ということです。

なお、一番厄介なのは言うまでもなく、平気で嘘をつく性格の持ち主で、冷静かつ客観的に先の展望を見通せる力がない人物です。

このよう人は、何を言ってもまともな話にならないと思いますので、早い段階裁判での解決しかないと覚悟を決め、証拠の確保に力を注いだ方がいいでしょう。

先の展望を見通せる人の考え方
「裁判になったら200万円程度はほぼ確実に取られそうだ・・・。裁判になれば弁護士費用も100万円くらい別にかかりそうだし・・・それなら今200万円で示談した方が得だな。よし、ここは200万円での示談に応じよう!」

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何よりも精神的な負担から逃れたいタイプ

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精神的に弱い人は、慰謝料を請求されただけでも、命でも取られるかのように怯えたり、大騒ぎする傾向があります。

このようなタイプの人は、恐怖に縛られた状態にあるので、目の前の問題から早く逃れたい一心で、高めの金額でも簡単に支払ってしまうような危うさを持っていたりもします。

このような恐怖心に満ちた相手方は、請求する側からすると、とてもやりやすい相手に思え、実際に早期円満解決に至ることも多いと思います。

しかし、相手方の恐怖心に付け込んで踏み込み過ぎると、反対に「窮鼠猫を咬む」という言葉のように、大きなしっぺ返しを食うことがあるので注意しなければなりません。

このタイプの人は、気持ちの浮き沈みが激しい人も多いので、一旦お金を払って問題を解決した場合でも、後から「お金を取られた」などと言ってトラブルを引き起こしかねません。

ですから、このタイプの人に慰謝料を請求する場合は、まず「安心させること」が大切です。怖がらせ過ぎると、協議を持ちかけても反応を示さなかったり、妥当な金額を提示しても必要以上に警戒したりして、こう着状態が続くこともあり、更には、こちらの何気ない言動を悪く受け取られたり、恨まれることもあります。

このようなことから、最初は「慰謝料を請求するけれど、過大なお金を請求するつもりは一切無いので安心してください。」などと言って落ち着かせるよう心掛けましょう。

このタイプの人の考え方
「理由はどうであろうと、もうこれ以上争いたくない・・・。こんな争いを続けていたら精神的に持たない。慰謝料を払えと言うなら払うからもうこの問題から解放して!」

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何よりも時間を節約したいと考えるタイプ

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会社の経営者や役員のような、いわゆる「仕事のできるタイプの人」は、解決が長引くことによって失われる時間を最も気にします。

なぜなら、仕事のできる人は、自分の時間当たりの単価を意識していることが多いので「時間単価×失われる時間」という計算式から、大まかにでも損害額を簡単にはじき出してしまいます。

ですから、このようなタイプの人には、調停や裁判になった場合に要する時間、弁護士などの専門家と打ち合わせをする時間などを伝えると、あっという間に問題が片付いたりすることも結構あります。

このタイプは、金銭的な負担を軽くしたいタイプと同じようにも思えますが、これは「高いお金は払いたくない」という単純な理由だけではなく、「時間をお金で買う」という賢者特有の考え方からくるものです。

要するに「賢い人は凡人には見えない損害やリスクが見えるので、多少のお金は払っても無駄な争いはしない」ということです。

このタイプの人の考え方
「こんな争いを続けていても時間の無駄だ!ある程度のお金を払って解決できるならさっさと払って終わりにしよう。」

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何よりも秘密が外部に漏れることを恐れるタイプ

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誰でも、慰謝料請求の原因となった不倫・セックスレス・暴力・ギャンブル・借金・親族問題などを他人に知られたくはないものですが、いざ離婚問題が発生してしまったら、普通の人は「ある程度は知られても仕方ない」とあきらめるところだと思います。

しかしこのタイプの人は「この事実が会社の人にバレたらどんな風に思われるだろう?」などと、他人の評価を必要以上に気にするので、他人に知られずに解決する方法を必死に探ります。

この傾向を逆手にとって「会社にバラされたくなかったら・・・」などと脅すのは良くないですが、裁判や強制執行の段階になると、様々な形で外部の人に事実関係がバレる可能性も出てくるのも確かですから、そのような不都合を回避するためにも早く解決しましょう、と持ちかけるくらいのことは、早期解決を望む双方にとってメリットのある会話だと思います。

このタイプの人の考え方
「不倫の問題で裁判なんかになったら親族や会社からの信用ガタ落ちだ!とにかくお金で問題が解決できるなら何とか示談でまとめよう!」

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何よりも「自分なりの正義」を重んじるタイプ

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何よりも「自分なりの正義」を重んじるタイプの人は、慰謝料の金額より「自分の正義に照らしてどうか」という点を最も重視します。

このタイプの人は、基本的に真面目なので、卑怯な嘘を突く可能性は低いと考えて良いでしょう。ですから、不倫の証拠がなくても素直に事実を認めて責任を取る人も結構います。

この書くと、このタイプが一番やりやすそうにも思えますが、そう簡単なものばかりではありません。なぜなら、解決の展望はその個人の正義感によって大きく左右されてしまうからです。

たとえば、一般的にも法律的にも悪とされる不倫も、人によっては「心が妻の下にあれば、単なる遊びに過ぎない」と考えている人もいます。

道徳や法律に反していても、自分の中の正義に合致していれば、その人にとってはそれが正義なのです。このタイプの人を「真面目」と言えば聞こえはいいですが、言い方を変えれば「頑固」です。

考えてみれば、自分の考える正義を押し通されることほど厄介なことはありません。「正義感の強い真面目人間ほど扱いづらい」という側面もありますので、こういったタイプの人に慰謝料を請求する場合は、相手方の性格や傾向を踏まえ、適切な対応をするよう心掛けましょう。

このタイプの人の考え方
「確かに相手方には申し訳ないことをした・・・。自分にも言いたいことはあるが、ここは素直に自分の非を認めて慰謝料を支払おう。」

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まとめ

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ここで挙げたタイプは一つの例ですが、慰謝料請求の具体的な事案の中ではどのパターンに近いかを予想して戦略を練っていく必要があるでしょう。

不誠実な人に誠実さを要求しても、時間の余裕のある人に「時間がもったいないわよ!」などと持ちかけても的外れです。

さらに言うならば、どんなに手を尽くしても慰謝料を認めさせるのが困難であったり、裁判で争っても勝てるだけの証拠や証人がないなら「あきらめる」というのも重要な決断です。

小事にこだわって、人生という大勝負に負けてしまってはなんにもなりません。「やるときはやる」というのも大事ですが、反対に「「引く時は引く」ということも同様に大切なことです。決断に迷ったときはいつでもご相談ください。

不貞行為の相手方に対する慰謝料請求(判例)

はじめに

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不貞行為の相手方に対する慰謝料請求について、最高裁は次のように相手方の不法行為責任を肯定しています。

夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持った第三者は、故意又は過失がある限り、配偶者を誘惑するなどして肉体関係を持つに至らせたかどうか、両名の関係が自然の愛情によって生じたかどうかにかかわらず、他方の配偶者の夫又は妻としての権利を侵害し、その行為は違法性を帯び、他方の配偶者の被った精神上の苦痛を慰謝すべき義務があるというべきである(最高裁昭和51年(オ)第328号昭和54年3月30日第二小法廷判決民集33巻2号303頁)

しかし、夫婦の婚姻関係が不貞行為当時すでに破綻していた場合について最高裁は平成8年3月26日判決において次のように述べて不貞行為の相手方の不法行為責任を否定しています。

夫婦の一方と第三者が肉体関係をもった場合において、夫婦の婚姻関係がすでに破綻していたときは、特段の事情のない限り、第三者は夫婦の他方に対して不法行為責任を負わない。けだし、夫婦の一方と第三者が肉体関係を持つことが夫婦の他方に対する不法行為となるのは、それが婚姻共同生活の平和の維持という権利または法的保護に値する利益を侵害する行為と言うことができるからであって、夫婦関係がすでに破綻していた場合には、原則として、夫婦の他方にこのような権利または法的保護に値する利益があるとは言えない

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夫婦の実態と因果関係

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要するに、不貞行為の相手方の不法行為責任が認められるためには「不貞行為があった当時に夫婦としての実体が存在していたこと」と「不貞行為によって婚姻共同生活の平和が侵害されたこと(不貞行為と損害発生との因果関係)」が必要、ということです。

不貞行為の問題では、不貞行為の時期と夫婦関係破綻の時期について争いになることが多く、加害者(不貞行為を行った者)は高い確率で「夫婦関係は既に破綻していた」と主張してきます。

ここで破綻の主張が認められてしまうと、たとえ不貞行為があったと認められた場合でも”法的保護に値する利益(婚姻共同生活の平和)があるとは言えない”として相手方の不法行為責任が否定されることになります。

とはいっても、夫婦の同居中に不貞行為があったケースなら、特別の事情が無い限り、法的保護に値する婚姻共同生活があると推定されますから、加害者が何らかの形で夫婦関係の破綻を立証しない限り、相手方の不法行為責任が認められる可能性が高いと考えられます。

慰謝料の取り決めはなるべく書面に残しておこう

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慰謝料の取り決めをする場合は、できるだけ契約書を作成しておいた方が良いでしょう。なぜなら、たとえ慰謝料が即金で支払われて問題が終結する場合でも、紛争再燃の可能性が十分にあるからです。

たとえば、①事実関係②解決方法③解決後のこと、などを取り決めた書面を残していなければ、慰謝料を受け取る側も支払う側も一定のリスクを負うことになります。

当事者は普通「これで問題を終わりにしたい」と思っているはずですが、①の「事実関係」を書面化しておかなければ、慰謝料の決済後でも紛争勃発の可能性があります。

たとえば、不倫の慰謝料を100万円と合意して決済が終了した場合です。100万円で合意した理由が「不貞行為があったのは1回だけだったから」という場合、後になって不貞行為が多数あったと判明したらどうなるでしょう。

慰謝料の請求者(権利者)は「100万円で合意したのは不貞は1回だけという相手の言葉を信じたからだ!騙しやがって!」と怒って、改めて不足の慰謝料を請求するでしょう。

しかし、請求者側が発行した100万円の領収書の摘要欄に「不倫の慰謝料として」という記載しかなかったら、不貞行為1回に対する慰謝料だったのか、それとも複数回に対する慰謝料だったのか、という点で争いになる可能性があります。

次に、②の「解決方法」を契約書にする必要性についてです。たとえば、慰謝料の支払いについて合意する場合、具体的な金額・期限・支払方法・支払いを怠った場合の措置などを明確にしておかなければ、お互いに無用なトラブルに巻き込まれる可能性が出てきます。

権利者の側に立てば、たとえば義務者が後になって「慰謝料の約束した覚えはない」「金額はもっと低かったはずだ」「分割払いだったはずだ」などと言いだした場合は、合意内容を明らかにする公正証書等の契約書でもない限り、権利者は強制執行等の法的措置を取ることができません。

また、義務者の側も契約書を作らないことによるリスクはあります。たとえば、当初の話し合いでは「慰謝料は分割払いで構わない」という約束をしていたにもかかわらず、権利者側から「分割払いなど認めてない。一括で支払え!」などと言われたら、また紛争に巻き込まれてしまいます。

このように、具体的な解決方法の書面化は、当事者双方にとってリスク回避の大切な行為なので慎重に対応していきましょう。 最後に③の「解決後のこと」は、慰謝料の取り決めをした後のことです。

たとえば、不倫の相手方に対して「今後は自分の妻に2度と会うな。会ったり、電話やメールをした場合は慰謝料○○万円を支払わせるぞ」といった、紛争の予防的な取り決めもあるでしょうし、「お互い今後一切関わらない。」などの日常生活の平穏を願っての取り決めもあるでしょう。

このように、慰謝料の取り決めを契約書にしておかなければ、お互い様々なリスクを抱える可能性がありますので、面倒でも取り決めはできるだけ書面化しておくようにしましょう。

書面に何を記載するかを検討する必要がありますが、個々のケースごとに事情が異なりますので、詳しくは専門家に相談して確認しましょう。

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